第5回サマ―コンサートを開催しました (開催報告)

2025年8月24日(日)、昭和文化小劇場にて名古屋昭和交響楽団「第5回サマーコンサート」を開催しました。当日はチケット完売となり、約300席の会場は開演前から熱気に包まれました。名古屋フィルハーモニー交響楽団の首席クラリネット奏者ロバート・ボルショス氏を指揮者およびクラリネット独奏に迎えるという特別な公演で、会場には小さなお子様連れのご家族も多くご来場くださり、終始あたたかい雰囲気の中でコンサートを開催いたしました。

今回は名古屋フィルハーモニー交響楽団の首席奏者をソリスト兼指揮者にお迎えして開催いたしました。クラリネット奏者ロバート・ボルショス氏は、名フィルで培った卓越した演奏技術と豊かな表現力を惜しみなく披露してくださいました。ボルショス氏自らタクトを取りつつクラリネットを演奏するというスタイルは極めて珍しく、その姿にオーケストラ団員も観客も大いに刺激を受けました。一流奏者を身近に迎えて共演できたことは、楽団にとっても観客にとっても大変貴重で贅沢な経験となりました

ボルショス氏によるクラリネット独奏はまさに圧巻でした。ウェーバー作曲「クラリネット・コンチェルティーノ 変ホ長調Op.26」が演目に組まれ、ボルショス氏は冒頭のカデンツァから美しい音色で会場を魅了。軽やかな技巧的フレーズから深みあるゆったりとした旋律まで、クラリネットの多彩な表現力を存分に聴かせました。

その演奏中、ボルショス氏は指揮者としても的確にオーケストラに合図を送り、息の合った伴奏でソロを引き立てます。クラリネットを演奏しながらオーケストラを指揮するという離れ業も終始安定しており、一瞬一瞬の音楽に対する集中力と統率力の高さに、客席からは終始感嘆の声が上がっていました。通常、独奏者と指揮者は別々に務めるものですが、それを一人で見事に両立させるボルショス氏の姿は観客に強い印象を残し、演奏後には割れんばかりの拍手が送られました。

また、ボルショス氏の指揮のもと、チャイコフスキー作曲「花のワルツ(バレエ《くるみ割り人形》より)」などの親しみやすい名曲も演奏されました。柔らかなクラリネットの響きとともに彩り豊かな管弦楽の調べがホールいっぱいに広がり、指揮者としてのボルショス氏の的確なリードによりオーケストラが一体となって躍動する様子が感じられました。ソリストとしてだけでなく指揮者としても卓越した音楽性を発揮したボルショス氏に、団員からも観客からも大きな称賛の声が寄せられました。

昭和文化小劇場では客席と舞台の距離が近く、演奏者の息遣いや表情まで感じられ、終始臨場感あふれる鑑賞体験となりました。当日は乳幼児からご年配の方まで幅広い世代のお客様にご来場いただき、客席には親子で音楽を楽しむ微笑ましい光景が広がりました。

ホールには反響板が設置され、生のオーケストラサウンドが隅々まで響き渡りました。客席数は大ホールに比べ少ないものの、そのぶん満席になった時の一体感は格別です。小さなお子さんの声や手拍子もところどころ聞こえてきましたが、それも含めて和やかな雰囲気が会場を包み込み、まさに昭和文化小劇場ならではの温かみのあるコンサートとなりました。観客の皆さんとの距離が近いこの空間で、演奏者と聴衆が一緒になって音楽を作り上げているような感覚を味わうことができました。

本公演では、特別コーナーとして「オーケストラと一緒に演奏してみよう!」という企画を行いました。ヨハン・シュトラウス2世作曲のポルカ「雷鳴と電光」を演奏する際、ボルショス氏の呼びかけで客席の子どもたち(と大人)がステージに上がり、打楽器演奏を体験できる趣向です。選ばれた数名の子どもたちは緊張しながらも楽しそうにバスドラムやシンバルを鳴らし、曲中の雷鳴や稲妻を表現しました。シンバルの閃光が響くたびに客席は大いに沸き、オーケストラの演奏に子どもたちの即興の音が見事に溶け合うと、会場中が笑顔に包まれました。小さなお子さんだけでなく大人のお客様も手拍子で参加し、演奏者と観客が一体となって音楽を創り上げる貴重な体験となりました。

コンサート全体を通して、会場の盛り上がりは終始最高潮でした。各曲の終了後には大きな拍手と歓声が湧き起こり、とりわけボルショス氏のクラリネット独奏直後にはひときわ長い拍手が送られました。アンコールではヨーゼフ・シュトラウス作のポルカ「『憂いもなく』(Ohne Sorgen!」)を演奏し、大いに盛り上がる中、演奏会は幕を下ろしました。

今回のサマーコンサート開催にあたり、ご来場いただいたすべてのお客様に心より御礼申し上げます。ロバート・ボルショス氏の卓越した指揮と演奏、そして温かな人柄のおかげで、楽団員一同も貴重な学びと刺激を得ることができました。また、ソプラノ&司会の橋本千波さん、客演コンサートマスターの平光真彌さんをはじめ、公演準備・運営にご協力いただいた皆様に深く感謝いたします。名古屋昭和交響楽団はこれからも地域に根ざした音楽活動を通じて、皆様にオーケストラの魅力を届けてまいります。今後とも温かいご声援をどうぞよろしくお願いいたします。

追伸
リハーサルでのオフショットです(^^

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